今回の記事では、建物や施設のセキュリティ管理者向けとして、ジェネテック社が提供する統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」を紹介していきます。
併せて、そもそも「統合セキュリティプラットフォーム」とは?
「ジェネテック」ってどんな会社なの?
といった疑問についても簡単に紹介します。
自社の建物や敷地、施設のセキュリティ管理を見直しを考えられている方は、是非ご一読ください。
ジェネテック(Genetec)について
今回の記事で紹介する「セキュリティセンターのGenetec」は1997年に設立し、カナダのモントリオールに本社が有り、物理セキュリティ分野において世界をリードするテクノロジー企業です。
同社が提供する統合セキュリティプラットフォームは、監視カメラ、入退室管理、ナンバープレート認識、画像解析など、多岐にわたるセキュリティ機能を一つのシステムで統合管理できることが特徴であり、80を超える国々で利用されています。
同社の製品の「お客様事例」をみると、「ロンドン・ヒースロー空港(イギリス)」、「ブリスベン市庁舎(オーストラリア)」、「フッツクレイ警察(オーストラリア)」、「マサチューセッツ湾交通局(アメリカ)」、「江陵市(韓国)」などグローバル、且つ大きな施設や自治体で導入されているのが確認できます。
日本国内では知名度も低いのですが、上記のように、グローバルでは物理セキュリティ関連の分野において多くの実績があります。
テクノロジーを活用して、社会の安全を裏から支えている企業だと言えます。
「統合セキュリティプラットフォーム」とは
今回の記事で紹介する製品である「Security Center」は、”統合セキュリティプラットフォーム“と称しています。
この「統合セキュリティプラットフォーム」とは具体的にどんなものでしょうか。
言葉から連想する製品の内容としては、複数のセキュリティ機能を統合して一元管理するための基盤システムのような印象を受けます。
例えば、ITエンジニアの場合は、「セキュリティ」と聞くと、WindowsのOS標準で提供している「Windows Defender」といったウィルス対策ソフトをイメージしたり、「IDS/IPS(不正侵入検知/防御システム)」などをイメージしますが、当記事で紹介するジェネテック社の「Security Center」では、建物や施設向けにジェネテック社が提供している幾つかの管理ソリューションを統合して一元管理できる製品です。
「幾つかの管理ソリューション」とは具体的に以下の製品です。
- Synergis:入退室管理:建物内のドアやゲートに対する入退室を記録し、誰がいつどこのドアに出入りしたかを管理します。
- Omnicast:ビデオ管理:監視カメラの映像をリアルタイムに配信及び記録し、遠隔地の映像を管理します。
- AutoVu:自動ナンバープレート識別: 車両のナンバープレートを識別してして管理します。
- Sipelia:音声通話管理: SIPを使用して音声通話を管理します。
- Mission Control:共同意思決定管理: レポート機能やワークフロー機能の提供、インシデント発生時のアクションを管理します。
建物や施設の物理的なセキュリティ対策として欠かせない複数の管理ソリューションを連携させながら一元的に管理できる統合セキュリティシステムがジェネテック社の「Security Center」です。
統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」とは
今回の記事の主題である、統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」について簡単に紹介していきます。
建物や施設などでの物理的なセキュリティに関する従来の仕組みでは、前述したように「各ゲート等の入退室管理」や「監視カメラの映像管理」、「自動ナンバープレート識別」などのシステムは相互連携はせず、個々の製品を使い分ける必要がありました。
その場合、入室管理の状況や監視カメラの映像は、その都度管理者が個別にシステムを切り替えながらチェックをするといった運用することになります。
よって、システムごとに管理者やチェック担当者を配置することになり、セキュリティ設備の運用に多くの人員が必要になります。
また、インシデント発生時に別のシステムへ迅速に切り替えて対応や調査することが難しく、インシデントへの対応が遅れ、被害の拡大に繋がる恐れがありました。
このような従来のセキュリティに関する問題点をすべて解消してくれるのが、統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」です。
「Security Center」の特徴
今回紹介する統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」の特徴を要約すると以下と言えます。
- 統合性: 複数のセキュリティシステムを単一のプラットフォームで管理することで、運用効率の向上とコスト削減を実現します。
- 柔軟性: さまざまな種類のセキュリティ機器に対応しており、ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズされたシステムを構築できます。
- スケーラビリティ: 小規模な施設から大規模なキャンパスまで、幅広い規模に対応可能です。
- クラウドソリューション: オンプレミス環境だけではなく、クラウドベースのサービスも提供しており、オンプレミス環境と比較して、初期費用を抑え、迅速な導入が可能です。
大きな特徴として、前述した物理セキュリティに関する各設備やシステムのデータやイベントが相互に連携できるようになり、セキュリティ管理業務の合理化や改善に大きく貢献できます。
従来は別々のシステムとして設置され、人力で1つ1つ管理していたセキュリティカメラ管理、入退室アクセス制御、車両の追跡と対応などを単一のシステムで管理できます。
例えば、ゲートを通過した車のナンバープレート、玄関から入ってきた人、インターフォンの通話、施設全体の様子などを別々のツールを1つ1つチェックすることは不要になり、単一のシステムで統合して監視できるようになります。
それにより、非常に効率的に安全管理が行えます。
個人的なイメージとしては、敵の施設の警備システム管理センターで大きなスクリーンに監視カメラの映像が表示され、建物の図面上のどの位置に居るかの表示しつつ侵入者の一挙手一投足が映像で追跡され、別の警備担当者に音声通信で指示をしつつ、最寄りの出入口をリモートで施錠して侵入者を捕獲する、といったスパイ映画などでよくあるシーンを思い浮かべます。
現実の世界でも、「Security Center」を導入することで、スパイ映画で出てくるインテリジェンスなセキュリティ管理システムを構築することができます。
また従来であれば非常に面倒で手間が掛かるシステムごとのメンテナンスやアップグレードなども一元的にシームレスに行うことができるというのも大きな特徴です。
尚、オンプレミス版とクラウド版があり、また両方を組み合わせて利用することも可能です。
向いている企業や施設
統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」では、以下のような企業や施設に最適です。
- 大規模な商業施設: 複数の出入り口や広範囲なエリアを監視する必要がある施設
- 製造業: 生産ラインの監視やセキュリティリスクの軽減を図りたい企業
- 教育機関: 学生や教職員の安全確保、キャンパスのセキュリティ強化を図りたい学校
- 政府機関: 公共施設のセキュリティ強化や、重要インフラの保護を担う機関
比較的大きな環境で利用することが前提の製品ですが、監視カメラ管理や入退室管理などのソリューションは個々に独立して存在しており、個別で導入も可能です。
規模がそれほど大きくない環境であっても、将来的に「Security Center」で統合管理することを視野に入れつつ、個々のソリューションを導入しておく選択肢もアリだと思います。
最後に
今回の記事では、統合セキュリティプラットフォーム「Security Center」を紹介しました。
当ブログはITエンジニア向け、又はITエンジニアを目指す人向けに記事を書いており、当ブログで「セキュリティ」と言えば、冒頭でも記載したように「サイバーセキュリティ」に関わる内容を指すことが多いです。
しかし、社会はサイバー空間だけで成り立っているわけではなく、そのサイバー空間の根底には必ず物理的な環境が存在しています。
今回の記事で紹介した物理セキュリティに関するソリューションや製品などは、現実社会において、我々の身の安全を物理的に守ってくれたり、トラブルが未然に防いでくれています。
その意味では、社会にとって、サイバーセキュリティ以上に物理的なセキュリティは重要だと言えます。
今回の記事でジェネテック社の「Security Center」に興味をもってもらえたなら、ジェネテック社のウェブサイトから製品のデモの申込みや問い合わせをしていただければ幸いです。
ここまで記事を読んでいただきましてありがとうございました。
それでは皆さんごきげんよう!