【情シス必見】IE11で「インターネット一時ファイル」の保存先が反映されない原因

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今回は、社内のパソコンのIEだとリンク先のファイルがダウンロードできないという問い合わせがあり、原因がわからず軽くハマりました。

私以外にも同じ症状で困る人がいるかもしれないので、症状の原因と対処方法を記事にしておこうと思います。

 

IE11でファイルダウンロードのリンクが反応しない

IEだとファイルが一切ダウンロードできないので何とかしてほしいと問い合わせがあり、対象のパソコンを確認したところ、以下のような症状でした。

  • アクセス先に関わらず、ファイルをダウンロードするページ内のリンクをクリックしても一切反応しない。
  • URLでファイル名を直接指定してもダウンロードできない。

情シス歴が長いと、IEのダウンロードやIEでダウンロードしたファイルの直接実行などで上手く動かなくなることは多々あり、だいたいIEの以下の設定のどれかを見直せば解消します。

  1. 「互換表示設定」にドメイン追加
  2. インターネットオプションの「信頼済みサイト」に登録
  3. インターネットオプションの「ポップアップブロックを有効にする」のチェックを外す
  4. インターネットオプションの「詳細設定」タブの「マイコンピューターのファイルでのアクティブ コンテンツの実行を許可する」のチェックを付ける

後は、次点で「JavaScript」関連の有効化とかキャッシュ削除とかでしょうか。
ただ、今回はこれらの設定を見直しても改善しません。
 

インターネット一時ファイルの保存先が空白で設定しても反映されない

引き続き調べたところ、インターネットオプションの「全般」タブ内の「閲覧の履歴」の「設定」ボタン押下→「インターネット一時ファイル」タブ内の「使用するディスク領域」が0になっており、「現在の場所(保存先の設定)」が空白になっていました。

なるほど、「インターネット一時ファイル」の保存先の指定が何かの拍子に飛んでしまい、そのせいでダウンロードできなくなってしまったのかと理解し、「使用するディスク領域」に適当な値を指定し、「フォルダの移動」ボタンにて既定で設定されているフォルダパスを指定したところ、再起動で反映されるというメッセージが表示され、強制的にログオフされました。
 

「現在の場所」に設定される既定値
Windows7
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files
Windows10
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCache

 
再度インターネットオプションを表示し、先ほど設定したはずの「インターネット一時ファイル」の「現在の場所」は空白のままですし、「使用するディスク領域」は0に戻っています。

何度指定し直しても同じ状態になります。
何でだろう・・・。
 

「AppData」フォルダの表示方法
上記の「AppData」フォルダはWindowsにおける「隠しフォルダ」のため、Windowsの既定の設定では表示されません。
今回のように対象のフォルダ配下にアクセスする必要がある場合は以下の設定変更が必要です。
 
1.どのフォルダでも良いのでまずフォルダを開き、ウィンドウ上部の「表示」タブを選択します。

 
2.ウィンドウ上部表示メニュー内の「オプション」を選択します。

 
3.「フォルダーオプション」ウィンドウの「表示」タブを選択し、詳細設定枠内の「ファイルとフォルダーの表示」の設定を変更します。

 
これで「AppData」フォルダが表示されるようになります。
尚、間違って削除したり移動してしまうと大変なので、今回の作業が完了次第、上記の設定は元に戻しておきましょう。

 

レジストリの設定値で異常を発見

インターネットオプションの設定値はすべてレジストリに書き込まれます。

↓過去にこのレジストリを利用して、IEの設定を自動化する記事を書いているので興味があれば読んでみてください。

【VBScript】情シス必見!レジストリを編集してIEの設定作業を自動化
今回はVBScrptからレジストリを編集し、IEの設定を自動化する方法を紹介します。 ※レジストリをWindowsの各...

よって、レジストリの情報はどうなっているのか確認します。
インターネット一時ファイル関連のキーが含まれているレジストリキーは以下です。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders

このレジストリキーの設定値を見てみると「Cache」というキーがあり、これが「インターネット一時ファイル」の「現在の場所」の値の様です。
この値は上項のインターネットオプションで設定したフォルダパスが登録されていました。
どうも上項の設定自体は反映されていたようです。

他の関連しそうなキーの値をチェックしていると、「Cookies」というキーの値に登録されているフォルダのパスは存在していないパスだということが判明しました。
今回のケースでは何故か途中の「Windows」フォルダが拡張子の無い謎のシステムファイルに置き換わっており、フォルダとしては消えておりました。
取り敢えず設定されていたフォルダパスと同じ名前のフォルダを手動で作成します。
 

「Cookies」の既定値
Windows7
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Cookies
Windows10
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCookies

 

設定が反映されダウンロードもできるようになった

再度「インターネットオプション」を表示し「インターネット一時ファイル」の「現在の場所」を確認すると、設定したフォルダのパスが表示できているのを確認でき、ファイルダウンロードのリンクをクリックすると、正常にファイルをダウンロードできるようになりました。
これで今回の対応は完了です。
 

最後に

ウェブサイトのファイルダウンロード用リンクをクリックしても一切反応しないという症状になるため、過去にまったく同じ現象に遭遇していないケースでは、私のように別のファイルダウンロード関連の設定漏れなどと勘違いして対応に手こずることもあるかと思います。
今回の記事が誰かのお役に立つことができれば幸いです。

今回も読んでいただきましてありがとうございました。
それでは皆さまごきげんよう。

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